【安歩当車】と【三顧の礼】に学ぶ!人生と心の動かし方
中国語も三国志文化として楽しんでいる玄子(げんし)です。
中国語で何が好きって一番が現地の人との交流。
でもこれは中国へ行かないとできないので日本にいて出来ることといえばお勉強。
ですが勉強と思わずに楽しめるのが成語や寓話。
昨日学んだのがこちら
安步當車By戰國策
意味的には、車を使わず徒歩で行く的な清貧さを伝えるものですが、この成語に至るまでが面白かったのでご紹介。
私が惹かれたのは話の内容ですので、時代や詳しい地理関係などは興味のある方、各自どうぞ!
戦国時代。齋の宣王が顏斶(二つ目の漢字が面倒なので以下顔さん)という賢士を招いて話を聞き、使えそうなら仕官させようって思いました。
呼び出された顔さんは謁見の間に現れましたが、王の前までやってきません。
なんだべさ?と思った王は
「お主、近こう寄れ!」と命じますが、顔さん王の前だって知っているんでしょうか?
「王。あなたが近こう寄れ!」王から来るようにと命じます。
王はもちろん不機嫌になり、家臣一同、度ビックリ!肝を冷やしながらいいます。
「こちらは王様!あなたは一般ピープルでしょ!何言ってんですか!正気ですか、あんた!」と。
すると顔さん。顔色一つ変えずにいいます。
「仮に、私が王の方へ行けば
私が王の権勢を羨ましがっているみたいじゃないすか?
けど仮に王が私の方へ来たら、
王が賢士に対して礼を尽くしているって説明できる。
王的にもその方が良くないすか?」と。
むぬぬ〜と更に不機嫌になった王は
「お主は王と士、どっちが偉いと思っとるんじゃい!」
って常識問題を出したつもりでした。
とりあえず、王様〜って崇めろや!って感じです。
が、顔さんは顔さんの常識内で答えました。
「そりゃあんた!士の方が偉いに決まってるわ!」
賢士に礼を尽くすわけ
顔さんは王の怒りを見てもやめません。
「昔、秦が齋に攻めた時。
秦の王は賢士の墓を荒らすどころか、
その近くでの殺戮さえ禁じましたが、
その一方で、斉王の首には賞金が掛けられました。
生きている王の首と、既に他界した賢士の墓。
大事にされているのはさぁ、どっちでしょう!」
言葉を失った王はやっと、自分の器の小ささを恥、顔さんに仕官してくれるよう懇願しました。
「今なら運転手付きの高級車もついています!」
高待遇で家族ごと面倒を見ると約束しましたが
「安歩当車(歩くことをゆっくり車に乗って移動しているって思えばまた楽しからずや〜)
なのでお構いなく〜」
アッサリ断られました。
これが安歩当車の内訳ですが、そこい行くまでのやりとりが面白い♪
で!!賢士に礼を尽くすといえば三顧の礼。
20歳も年下の孔明先生を迎えるため玄徳殿は三顧の礼を尽くすのですが、最初は
「元直の友達なら君が連れてきてくれ」
礼を尽くす気ゼロでした。
元直殿以上の人材なんているはずがない!ってくらい元直殿に惚れ込んでいたからかもしれませんが、その元直殿に
「そんなんでは賢士を迎え入れることはできませぬ!しっかりと礼を尽くしてください!」
年齢差や肩書きを取っ払って、同じ一人の人間として礼をトコトン尽くすよう諫言されます。
その言葉でハッとした玄徳殿は三顧の礼を尽くすことになるのですが、結果的に、元直殿の戒めと、それを素直に聴き入れる玄徳殿の器の大きさが歴史を動かすことになったのです。
歴史が動くかどうかはともかく、自分の人生と相手を動かしたいのなら、誠心誠意、礼を尽くすことが大事ってことが顔さんと、三顧の礼から学ぶことができます。
成語に学んだことを三国志に応用して、実生活に活かす!!
そんな学び連環の計もまた一興にございまする!