シクラメンと中国の伝説〜羿と嫦娥、そして玉兎〜

玄子(げんし)です。
昨日、ホームセンターで片隅に追いやられ、値段もほぼ半額になっていたシクラメンを迎え入れました。
30年の歳月をかけて今年誕生した奇跡のシクラメン「天使のはね」
素敵な出会いをありがとう〜!大切に育てます!
シクラメンは中国語で仙客来とか、兔子花と呼ばれているようです。
今回は兔子花と呼ばれる由来についてご紹介します。
目次
羿(げい)と嫦娥(じょうが)のお話
シクラメンの名前の由来を説明するにあたり、なぜか出て来たのは羿(げい)と嫦娥!
羿は後羿と呼ばれることもあります。
で、彼らはそもそも、いつの時代の誰よ?って話から始めます。
時代は、伝説の時代!!!
シクラメンからなぜか古代中国へ行っちゃいますので、ついて来てくださいね!
シクラメンは中国原産じゃないからこの伝説は虚構だ!と盛り下がりたい方や
水を差したい方は、価値観が違うのでここから先、ご遠慮くださいませ〜!
太陽が10個も出て来た!?
伝説の時代。天帝には10人の息子がいました。
息子とはいえ彼らは太陽でした。
10人太陽のお仕事は日替わりで大地に出現すること。だったのですが
なんの気まぐれか、反抗期だったのか?イタズラだったのか?出来心だったのか?
ある日、10人が一気に出現しちゃったのです!
今年のあの酷暑を思い出してください!
たった一つの太陽でもあんなんです。
で、あれに9個増量されたらどうなるでしょう?
そう!死にます!
動物だけではなく、草木も死に絶えます。
天帝、帝堯に助けを求める
天帝なのに、父親なのに息子にビシッといえないまま地球は死にかけます。
流石に、やばいかも!?(⌒-⌒; )って思った太陽兄弟のパパは
この当時、中国を治めていた帝堯に「何とかして〜」と相談しました。
紀元前2188〜2067年の人。だけど服装がすでに立派。
動物の毛皮とか草木で編んだものじゃないんですね!
古代中国って本当、すごい。って感心している間にも太陽兄弟の悪ノリは続きます。
「私の力だけでは無理だ」と判断した堯は弓の師匠である羿を頼りました。
*羿は人間に育てられたけど、実は神様の血を引いていたらしく、不老長寿だったとか。
ちなみに、奥方が嫦娥さんです。
最初のうちは、二人で10兄弟を説得して収めようと思っていたのですが
怖いもの知らずの10兄弟は調子に乗って話を聞きません。
「俺の父ちゃんは偉いんだぞぉ〜。逆らったら父ちゃんに言いつけるぞ」とますます増長。
ていうか、こんな子に育てた天帝さん、責任感じないんスカ!?
「天帝様にどう言われようが構いませんが、このままでは、この世は滅んでしまいます」
と判断した羿はついに決断しました!
悪い子には、お仕置きが必要です!
羿は弓矢を手にすると
次々と太陽を射抜きました。
あれだけ説得したのに、、、
10太陽兄弟は
羿の本気を引き出してしまいました。
羿の弓矢は音を出して空を駆け、太陽に次々と命中しました。
その結果、最後に残された一人が、今日まで生き延びている太陽です。
お天道様って崇められるほどに成長しました。
それ、逆ギレですから!
太陽が大人しくなり、やっと平穏な日が、、、と思いきや羿の幸せは長く続かなかったのです。
なんと!!!9人の息子を射殺された天帝が激怒!
「何とかしろとは言ったが、殺せとは言っていない!」
だったらもっと教育ちゃんとしろよって話ですが逆鱗に触れた羿は
神の籍を剥奪され、不老長寿じゃなくなってしまいました。
そんな不思議な力があるなら、10太陽息子を何とかできたんじゃ?って思いますが(^◇^;)
逆ギレされた羿は「、、、別にい〜けど」と淡々と過ごし
弓矢教室の師匠として優れた弟子の育成に努めました。
でも、嫦娥は「ふざけんじゃないわよ!」トバッチリに怒りました。
一説によると、堯の娘だとか!?伝説の時代なので人間関係、複雑中〜!
「流石に今回の天帝様はヤバイよね」と同情した西王母は
「ここに来たら不老不死の薬があるから」とこっそり、教えてくれました。
が!嫦娥は一人で独占してしまい
「羿の分がない!」ってことに気づき、そのまま地球の家には帰らずお月様へ逃げました。
さよ〜なら〜。ごめんなさい、、。
「不老長寿の薬なんていらないから、戻っておいで〜!」と
優しい羿は嫦娥の好きな果物や団子を供えました。←いい人すぎる(T ^ T)
そんないい人すぎる羿に心打たれた西王母は二人を会わせてあげることに。
これが中秋節の始まりとも言われています。
一方の嫦娥は?
嫦娥と玉兎それぞれの想い
ここからやっと、シクラメンの話が出てきます。
実はここまでは、羿と嫦娥の説明に過ぎない、前座だったのですΣ( ̄。 ̄ノ)ノなが!!
月から羿を想い続ける嫦娥に、下界へ降りる許可が出ました。
「羿に会える!!!」
嫦娥はペットのウサギと一緒に下界へ来ましたがそのウサギさんというのがこのこ。
か、可愛い!!!玉兎。
玉兎は日本でも月の異名を意味します。
玉兎は嫦娥と一緒に下界へ来ますが、羿との時間を邪魔せぬよう庭で遊ぶことにしました。←健気な子!
するとそこにいた庭師と意気投合!!!
どうやって意気投合したのかは分かりませんが、玉兎ってくらいだからお話くらいは簡単にできたのかも知れませんね。
そしてお別れの時。
玉兎は庭師と離れたくないなって思っていましたが、お月様へ還らねばなりません。
「これを受け取ってね」
玉兎はそういうと、耳から花の種を出して庭師にプレゼントしました。
「楽しかった、ありがとう〜」
こうして朝焼けとともに月へ還った嫦娥と玉兎。
庭師は玉兎がいなくなった寂しさを埋めるように
玉兎との思い出と一緒に種を植えて大事に大事に育てました。
すると!?
まるで兎が月を眺めているかのような、そんな花が咲いたではありませんか!!!
これこそがシクラメン、兔子花だったのです!!!
人々を救った弦は琴になった!
最後に。これは余談ですが、羿が人々を太陽から救うべく弓矢を用いた時に鳴った弦の音。
この音に人々は心地よさや安堵、安らぎを覚えました。
そして、羿の活躍と弦の心地よさを忘れぬよう造られたのが琴、古琴だという説も♪
羿が私たちに遺してくれたものって沢山ありますね!
これを伝説と関係なく、切り離して捉えるのも自由だし
太陽や中秋節、古琴そしてシクラメンを見る度に思い出して時空を超えて楽しむのも自由です。
規制にあったもの、正しいものだけを求めるよりも
一つ一つのことに歴史ロマンを感じる方が好きって方は
このご縁を機に、時空を超えて楽しんでみてくださいね!
長くなっちゃいましたが、最後までご覧いただき、中国文化に興味を持っていただけたら嬉しいです。
ありがとうございました〜!
玄子(げんし)