シクラメンと中国の伝説〜羿と嫦娥、そして玉兎〜
孔明先生の私淑弟子・
玄子(げんし)です。
ほぼ毎年、
ホームセンターで片隅に追いやられ、
値段もほぼ半額になっている
シクラメンを迎え入れています。
シクラメンは中国語で
仙客来とか、兔子花と呼ばれているようです。
今回は兔子花と
呼ばれる由来についてご紹介します。
目次
羿(げい)と嫦娥(じょうが)のお話
シクラメンの名前の由来を説明するにあたり、
なぜか出て来たのは羿(げい)と嫦娥!
羿は後羿と呼ばれることもあります。
で、彼らはそもそも、
いつの時代の誰よ?って話から始めます。
時代は、伝説の時代!!!
シクラメンからなぜか
古代中国へ行っちゃいますので、
ついて来てくださいね!
シクラメンは中国原産じゃないから
この伝説は虚構だ!と盛り下がりたい方や
水を差したい方は、
価値観が違うのでここから先、
ご遠慮くださいませ〜!
太陽が10個も出て来た!?
伝説の時代。
天帝には10人の息子がいました。
息子とはいえ彼らは太陽でした。
10人太陽のお仕事は
日替わりで大地に出現すること。
だったのですが
なんの気まぐれか、
反抗期だったのか?
イタズラだったのか?
出来心だったのか?
ある日、10人が
一気に出現しちゃったのです!
今年のあの酷暑を思い出してください!
たった一つの太陽でもあんなんです。
で、あれに
9個増量されたらどうなるでしょう?
そう!死にます!
動物だけではなく、
草木も死に絶えます。
天帝、帝堯に助けを求める
天帝なのに、父親なのに
息子にビシッといえないまま
地球は死にかけます。
流石に、やばいかも!?(⌒-⌒; )
って思った太陽兄弟のパパは
この当時、中国を治めていた
帝堯に「何とかして〜」と相談しました。
紀元前2188〜2067年の人。
だけど服装がすでに立派。
動物の毛皮とか
草木で編んだものじゃないんですね!
古代中国って本当、すごい。
って感心している間にも太陽兄弟の悪ノリは続きます。
「私の力だけでは無理だ」と判断した堯は
弓の師匠である羿を頼りました。
*羿は人間に育てられたけど、
実は神様の血を引いていたらしく、
不老長寿だったとか。
ちなみに、奥方が嫦娥さんです。
最初のうちは、
二人で10兄弟を説得して
収めようと思っていたのですが
怖いもの知らずの10兄弟は
調子に乗って話を聞きません。
「俺の父ちゃんは偉いんだぞぉ〜。
逆らったら父ちゃんに言いつけるぞ」
とますます増長。
ていうか、こんな子に育てた天帝さん、
責任感じないんスカ!?
「天帝様にどう言われようが構いませんが、
このままでは、この世は滅んでしまいます」
と判断した羿はついに決断しました!
悪い子には、お仕置きが必要です!
羿は弓矢を手にすると
10太陽兄弟を
射抜くことにしました!
言って分からない子には
お仕置きが必要・・・
10太陽兄弟は
羿の本気を引き出してしまったのです。
羿の弓矢は音を出して空を駆け、
太陽に次々と命中しました。
その結果、最後に残された一人が、
今日まで生き延びている太陽です。
お天道様って崇められるほどに成長しました。
それ、逆ギレですから!
太陽が大人しくなり、
やっと平穏な日が、、、
と思いきや羿の幸せは長く続かなかったのです。
なんと!!!9人の息子を射殺された
天帝が激怒!
「何とかしろとは言ったが
殺せとは言っていない!」
だったらもっと教育ちゃんとしろよ
って話ですが
逆鱗に触れた羿は
神の籍を剥奪され、
不老長寿じゃなくなってしまいました。
そんな不思議な力があるなら、
10太陽息子を何とかできたんじゃ?
って思いますが(^◇^;)
逆ギレされた
羿は「、、、別にい〜けど」
淡々と過ごし
弓矢教室の師匠として
優れた弟子の育成に努めました。
でも、嫦娥は
「ふざけんじゃないわよ!」
天帝の逆ギレ系
トバッチリに怒りました。
「流石に今回の天帝様はヤバイよね」
と同情した西王母は
「ここに来たら
不老不死の薬があるから」
とこっそり、教えてくれました。
が!嫦娥は一人で独占してしまい
「あ!羿の分がない!」
ってことに気づき、
そのまま地球の家には帰らず
お月様へ逃げました。
「不老長寿の薬なんていらないから、
戻っておいで〜!」
優しい羿は
嫦娥の好きな果物や団子を
供えました。←いい人すぎる(T ^ T)
そんないい人すぎる羿に
心打たれた西王母は
二人を会わせてあげることにしました。
これが中秋節の始まり
とも言われています。
一方の嫦娥は?
嫦娥と玉兎それぞれの想い
ここからやっと、
シクラメンの話が出てきます。
実はここまでは、
羿と嫦娥の説明に過ぎない、
前座だったのですΣ( ̄。 ̄ノ)ノなが!!
月から羿を想い続ける嫦娥に、
下界へ降りる許可が出ました。
「羿に会える!!!」
嫦娥はペットのウサギと一緒に
下界へ来ましたが
そのウサギさんというのがこの子。
か、可愛い!!!玉兎。
玉兎は日本でも月の異名を意味します。
玉兎は嫦娥と一緒に下界へ来ますが、
羿との時間を邪魔せぬよう
庭で遊ぶことにしました。←健気な子!
するとそこにいた
庭師と意気投合!!!
どうやって意気投合したのかは
分かりませんが、
玉兎ってくらいだから
お話くらいは簡単に
できたのかも知れませんね。
そしてお別れの時。
玉兎は庭師と離れたくないなって
思っていましたが、
お月様へ還らねばなりません。
「これを受け取ってね」
玉兎はそういうと、
耳から花の種を出して
庭師にプレゼントしました。
「楽しかった、ありがとう〜」
こうして朝焼けとともに
月へ還った嫦娥と玉兎。
庭師は玉兎がいなくなった
寂しさを埋めるように
玉兎との思い出と一緒に
種を植えて大事に大事に育てました。
すると!?
まるで兎が月を眺めているかのような、
そんな花が咲いたではありませんか!!!
これこそが
シクラメン、
兔子花だったのです!!!
人々を救った弦は琴になった!
最後に。これは余談ですが、
羿が人々を太陽から救うべく
弓矢を用いた時に鳴った弦の音。
この音に人々は心地よさや
安堵、安らぎを覚えました。
そして、羿の活躍と弦の心地よさを
忘れぬよう造られたのが琴、
古琴だという説も♪
羿が私たちに
遺してくれたものって沢山ありますね!
これを伝説と関係なく、
切り離して捉えるのも自由だし
太陽や中秋節、古琴そしてシクラメンを見る度に
思い出して時空を超えて楽しむのも自由です。
規制にあったもの、
正しいものだけを求めるよりも
一つ一つのことに
歴史ロマンを感じる方が好きって方は
このご縁を機に、
時空を超えて楽しんでみてくださいね!
長くなっちゃいましたが、
最後までご覧いただき、
中国文化に興味を持っていただけたら
嬉しいです。
ありがとうございました〜!
玄子(げんし)