師せる孔明先生、幾度も私を走らす(14)〜勝負どころの覚悟とは〜

勝負どころの覚悟
人の意見や気持ちを大事にして、
尊重して人生の選択をしなければならない、
と言われたこともあるが、
果たして本当にそうだろうか。
その人たちは気持ちを尊重したお礼に私の人生を、
私が思っている以上の次元へと導いてくれるとでも言うのだろうか。
本当に何が何でもやらずには死ねない、
生きられないくらい、
やりたいことだったら、
やらない言い訳にしかならない
相手の気持ちを考える必要はないのではないだろうか。
優勝を懸けた戦いで相手が負けたらどうしよう、
可哀想だと逐一考えないのと同じ。
勝負所とは少なくとも、
それくらいの覚悟と、その道を選ぶことへの責任が必要。
ましてやこの時、私が懸けていたのは、
これまでと、これからの人生全て。
父が反対する理由は、私の人生の重さの比ではなかった。
私の覚悟は日々、固くなっていった。
思わぬ援護射撃
父はそんな私に呆れ、快く認めてくれる、ことはなく。
父方の祖母を巻き込んで、留学を阻止することにした。
父にとっては、いつでも味方になてくれる最大の助っ人、
私にとってはいつも気が合わない最大の難敵。かと思われた。
「中国へ留学するって聞いたけどー」
気性の激しい祖母のことだから、
頭から湯気を出して猛烈に反対するんだろうなと思っていたが、
そんな祖母の口から出た言葉は
「それはきっと、孔子様のお導きです」
こ~し?
「夢に孔子様が現れたのは、このことだったのでしょう」
何のことなのかよくわからなかったが、
この時期、祖母はなぜかいきなり
儒教・孔子様にハマったらしく孔子様、といえば中国。
そんな時に孫が孔子様のお国へ学びにいくという。
また楽しからずや! という不思議な展開になったのだ。
家族どころか
孔子まで巻き込んだ私の留学騒動
この後、どうなる??
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