私淑派*三國演義1−1〜天下の大勢と蛇の呪い!?〜

私淑派三國志の玄子(げんし)です。

三国演義原文+好き放題に解釈する玄子訳で綴る「私淑派*三国演義」

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宴桃園豪傑三結義   斬黃巾英雄首立功

桃園結義から始まる三国演義。

第一話からして三国演義はもう、ぶっ飛んでいます!
ときはざっと1800年前の中国。
漢王朝の腐敗は、天下の不満を引き起こし、ついに黄巾の乱が勃発!

というのはよくある流れですが、三国演義ではどんな感じなのか、原文から少しずつ読んできます。

まずは、黄巾の乱が起こるまで。

原文1ー1天下大勢,分久必合,合久必分

話說天下大勢,分久必合,合久必分:
周末七國份爭,併入於秦;及秦滅之後,楚,漢分爭,又併入於漢;
漢朝自高祖斬白蛇而起義,一統天下,
後來光武中興,傳至獻帝,遂分為三國。

推其致亂之由,殆始於桓,靈二帝。
桓帝禁錮善類,崇信宦官。
及桓帝崩,靈帝即位,大將軍竇武,太傅陳蕃,共相輔佐;
時有宦官曹節等弄權,竇武,陳蕃謀誅之,機事不密,反為所害,中涓自此愈橫。

建寧二年四月望日,帝御溫德殿。
方陞座,殿角狂風驟起,只見一條大青蛇,從粱上飛將下來,蟠於椅上。
帝驚倒,左右急救入宮,百官俱奔避。須臾,蛇不見了。
忽然大雷大雨,加以冰雹,落到夜半方止,壞卻房屋無數。

建寧四年二月,洛陽地震;又海水泛溢,沿海居民,盡被大浪卷入海中。
光和元年,雌雞化雄。
六月朔,黑氣十餘丈,飛入溫德殿中。
秋七月,有虹現於玉堂,五原山岸,盡皆崩裂。
種種不祥,非止一端。
帝下詔問群臣以災之由,議郎蔡邕上疏,以為蜺墮雞化,乃婦寺干政之所致,言頗切直。
帝覽奏嘆息,因起更衣。
曹節在後竊視,悉宣告左右;遂以他事陷邕於罪,放歸田里。

後張讓,趙忠,封諝,段珪,曹節,侯覽,蹇碩,程曠,夏惲,郭勝十人朋比為奸,號為”十常侍“。
帝遵信張讓,呼為”阿父“。
朝政日非,以致天下人心思亂,盜賊蜂起。


ー蛇の呪い?

ここでは、黄巾の乱が起きるまでの時代の流れと朝廷の腐敗が暴露されています。

まずは時代の流れ。
周王朝末期。七つの国に分かれ争いますが、最終的に秦の始皇帝によって統一されます。
漫画・キングダムもこの時代が舞台となっています。

が!始皇帝が死去してまもなく秦は滅び、今度は楚と漢の争いとなります。

これも日本でもお馴染み項羽と劉邦の戦いです。

三国演義では劉邦を「高祖」と呼んでいます。
高祖(劉邦)は白蛇を斬って、それを切っ掛けとして立ち上がった、とのことですが

中国では有名な逸話のようです。
興味のある方は各自、どうぞ。

白蛇を斬って戦乱の世に出た劉邦は、強敵である項羽を破って天下を統一します。
これが漢王朝。

紀元前から続いている漢王朝ですが、だんだんと腐敗していきます。
途中、光武帝が気合を入れ直し後漢王朝を復興させたのですがそれさえも今は昔。

桓帝は宦官を信頼していたので、忠臣の言葉を聞く耳持たず。
そのあとを継いだ霊帝も似たり寄ったり。
大将軍や太傅がなんとか宦官を誅殺しようと謀りましたが、これが怖いところ!
ネットもないのに、どこからともなく情報が筒抜け。

逆に宦官たちに殺されてしまったのです。
内緒話は小さな声でお願いします!

宦官たちはますます図に乗って好き放題していました。
が!その横暴な振る舞いは天も見過ごせなかったようで、奇怪なことが都で勃発します。

ある日。でっかい青蛇が宮殿にニュルッと出てきたかと思ったら、梁から帝が座る椅子の上にダイビング!

このヤンチャな蛇、もしかして劉邦に斬られた白蛇の末裔だったのでしょうか?
帝が蛇に驚いてぶっ倒れると青蛇は、どっかに消えていました。
退治される前に消えちゃうなんて、、、白蛇の血縁者が茶化しに来たとしか思えませんな(^◇^;)

なぜなら蛇は消えたかと思いきや、雷雨をお見舞いしたのです。
「まだ足りない?」と思ったのか、途中で雹も抱き合わせでお届け。
夜中になっても蛇の悪戯(仮)は止むことなく、無数の家屋をぶっ壊しました。

劉邦に斬られた怨みをここに来て一気に晴らしたのでしょうか?
せっかく斬らせて天下統一を陰で支えてやったのに、この様はなんだ!と。

その2年後。洛陽で地震が発生しました。
海水は溢れ、沿岸沿いに住んでいた人たちは津波に巻き込まれてしまったほどの大地震でした。

悪いことが続くので年号を変えましたが、年号を変えたらなんと!
雌の鶏が雄の鶏に変わってしまったのです!
そんなこと、あるんですね!

そんなこんなで不吉なことばかり続くので、やっと帝も不安になりました。
帝は家臣を集めて意見を聞きました。
「知らんわ、そんなの!」とは思っても言えません。

そんな状況下で勇気と教養、人望のある蔡邕が「宦官が政に干渉して世の中を乱しているからだ!」と帝に書簡を渡して直訴しました。


帝は、何となくそんな気はしていたのか、でも言われたくなかったのか溜息を吐きながら上奏文を眺めるとお手洗いへ。

その危険な上奏文を背後から盗み見ていた宦官は、蔡邕を無実の罪に陥れ、罷免しました。
帝も蔡邕ではなく、宦官を信じているから手に負えない。
特に張譲への敬慕っぷりは半端なく「パパ〜」と呼ぶほど。

こんなんで世の中が良くなるはずはない!
でも、だからと言っていつまでも黙っているはずもない!
そうなると「救世主、出てこいや〜〜〜!」って叫びたくなるのが世の常、人の常。
そんな時でした!!!

ってどんな時?

どこかで何かが起きたようです!

その出来事とは?

次回へ続きます!!